行政文書管理アカデミー ―行政文書管理のエキスパートを養成―

現在位置:
ホーム > アカデミーの概要 > 学長あいさつ

学長あいさつ

12.jpg

公文書の意義を再確認したい

公文書は,国家と国民に,及び自治体と自治体住民に奉仕する公務員全員の,活動と努力の証であります。また,歴史の審判の場に立つ公務員にとって,自己実現と職業達成の誇りでもあります。当然に,皆さんが扱う公文書は,次代に続く者たちへの,先導の光明になります。

公文書の管理を巡る昨今の案件

しかし,昨今,国の機関で,この公文書の意義を踏みにじるような案件が続いています。決裁文書の改ざん・差替え,意図的な隠蔽・廃棄,そして森友・加計案件です。このことで,政治責任や行政責任等が問われ,公文書の管理が政治行政の基盤であるとともに,あらためて公文書の管理のレベルが行政水準の指標になることも再認識させられたところです。

政治責任が全うされたか

政治責任を問われた国の首脳部は,「対策を徹底して講じていくこと」と応じつつも,関係閣僚会議において罰則規定の強化という,対症療法をとるに留めました。かかる不祥事の主原因は,「行政文書管理ガイドライン」(平成23年4月1日,内閣総理大臣決定)に従って実務の抜本的な改善を,公文書管理法施行後7年余が過ぎた現在においても,実施してこなかったことにあります。この改善の王道を避けた以上,政治責任が問われるところとなります。

責任の取り方は,次の三つが考えられます。
(1) 公文書の意義を再確認する。
(2) AKFをモデルにして策定された,当初のガイドラインに従った実務の抜本的な改善を実施する。
(3) 行政文書管理の専門家を育成する。

行政文書管理の専門家を育成する本学の概要

本学は,自治体及び国の機関等に必要な行政文書管理の専門家の人材育成を目的として平成18年に創設され,平成19年度に第1期を開講しました。現職の公務員が日常業務を継続しながら,行政文書管理の専門的な知見と技能を習得することができるよう,インターネットと集中合宿を利用して講義と演習を行う長期研修機関です。これまで11期の受講者までが全課程の履修を修了し,行政文書管理士の称号を取得しました。これらの行政文書管理士の活動を支援する相互援助組織として,行政文書管理士と行政文書管理アカデミー講師による行政文書管理士会が発足しております。

行政文書管理士は,所属の公務組織が行政文書管理の実務の抜本的改善を実施するに当たって,如何なく才腕を発揮することが期待されています。具体には,在るべき行政文書管理の定着を支援する役割を担うことになり,本学で学んだ専門的で豊かな知見と技能を駆使するになろうかと思いますが,ちょっと待っていただきたい。その前に貴方ご自身の行政文書管理を見直してほしいのです。隗より始めよとの譬えもあります。

ご自身の行政文書管理を見直してほしい ~隗より始めよ~

(1) ツミアゲ式階層分類の見直し過程で,数のコントロールと小見出しの20文字化の徹底に再挑戦し,行政事務の効率化を担保しつつ,仕事がしやすくなったことを実感していただきたい。
行政文書管理の二大機能である行政事務効率支援機能の充実化確認でもあります。

(2) 業務プロセス式水平分類の見直し過程で,担当業務の在るべき姿を再構想し,不足情報を発掘・補填して,政策課題の最適化のための情報をフル装備していることを実感し,意思決定に自信をもっていただきたい。
行政文書管理の二大機能である意思決定最適化支援機能の充実化確認でもあります。
なお,行政文書管理の二大機能を活用することで,効率的かつ最適的な働き方ができ,求められる「出来る職業人」を引き寄せることができます。

(3) 以上の見直しで,改めて分類の楽しさと成果を実感できたら,仕上げに自身の机の右下のヒキダシに,例えば自己研鑽資料や関心のある政策課題のオリジナル資料を国内外から収集して分類し,貴方だけの「賢者のヒキダシ」を創ってはどうだろうか。5,500枚は収納できます。仕事にユトリができてくることでしょう。

以上,まずは,ご自身の行政文書管理の分類等の見直し作業をとおして,改めて行政文書管理の楽しさや効果を実感できてこそ,そのことを内に秘めて,優れて秀でている行政文書管理の専門家として,例えば庁内の行政文書管理委員会の委員として職員の前に立っても良いと思います。また,貴方のように優れて秀でている文書管理の専門家は,貴方の自治体の行政水準の向上を図ります。むろん,このことは主権者である住民にとっても,大きな意味のあるものです。

たいまつを高く掲げて,さぁ,一緒に歩み始めましょう。


隗より始めよ

「戦国策燕策」にある郭隗かくかいの故事。
隗が燕の昭王に,賢臣を求めるならまず自分のようなつまらない者を登用せよ,そうすれば賢臣が次々に集まって来るだろうと言ったことから
(1) 遠大な事をするには,手近なことから始めよ。
(2) 転じて,事を始めるには,まず自分自身が着手せよ。