行政文書管理の改善理論と技法を学べる「行政文書管理アカデミー」は,第6期生(平成24年度受講者)先行予約の受付を開始しました。行政文書管理アカデミーは,国の機関や自治体等の行政文書管理改善に多くの実績のある特定非営利活動法人行政文書管理改善機構(以下,単に「ADMiC」という。)が行政文書管理学会の協力で運営する1年制の研修機関です。 インターネット講義と集中講義(演習を含む)の組み合わせにより,在職のまま全国どこからでも働きながら無理なく受講できます。研修の中心はADMiCが創案した「AKF」(Administrative Knowledge Filing)です。「AKF」は,公文書管理法の実務指針である「行政文書管理ガイドライン」(内閣総理大臣通知)のモデルになりました。全課程の修了者は「行政文書管理士」の民間資格(特許庁登録)を取得し,行政文書管理士会の会員となることができます。
行政文書管理の専門職が不足
国民共有の知的資源である公文書等の適正管理を定める公文書管理法は,国の機関と独立行政法人を対象にして平成19年4月に施行されました。その行政文書管理ガイドラインの策定にはAKFも寄与しました。AKFはすでに全国各地の自治体で取り入れられており,その効率性と革新性は十分に認められています。地方自治体にも公文書管理法に対応する文書管理方式の構築が迫られております。その中で,「AKF」のような行政文書管理の新しい理論と技法を身につけて,紙文書と電子文書が一体となった行政文書の作成・収受,流通,意思決定,保管・保存,処分(アーカイブズの移管又は廃棄)までを管理する能力を有する専門職員が不足しています。
受講は現職の行政職員を対象
行政文書管理は,行政の生命線です。その導入・維持管理にあたっては,担当者ばかりでなく管理監督者にも行政文書管理の専門知識が必要となります。例えば,文書取扱主任,ファイル責任者・担当者及び行政文書管理の維持管理のための文書管理委員会などの構成委員の研修に最適です。行政職員として公文書管理は基本的な業務遂行能力ですが,行政組織の全体から見れば,それは行政組織の経営管理,事務管理につながる能力です。文書管理能力の高い職員は,どのような行政分野でも高い管理能力を自ら育み,政策形成の最適化に貢献することが可能とされるのです。
「行政文書管理アカデミー」のあゆみ
ADMiCは,平成19年に駿河台大学(埼玉県飯能市)文化情報学研究所及び行政文書管理学会の協力を得て「行政文書管理アカデミー」を開設しました。同研究所は平成10年の発足当初から行政文書管理を研究課題の一つとしており,その成果を大学院の行政文書管理コースの教育・研究に反映していました。「行政文書管理アカデミー」の専門職研修は,この大学院のカリキュラムを実務中心に新しく編成したものです。
駿河台大学が文化情報学部をメディア情報学部に改組したのに伴い,文化情報学研究所も平成22年度で行政文書管理分野から撤退したのに伴い,「行政文書管理アカデミー」はADMiCが単独で運営することにしました。研修内容と講師その他の態勢は,AKFの進化と新しいニーズに対応するために毎期,少しずつ変わってきますが,基本的な内容とレベルには変わりありません。
■公文書管理法のモデルである「AKF」
「AKF」は,旧来のファイリングが進化し,昇華した行政ナレッジ・ファイリングのことです。「AKF」の特色は,概ね次のとおりです。
1 行政文書管理の根本問題である文書私物化容認意識を払拭することを前提にして制度設計されている。
2 高速検索性を担保するツミアゲ式階層分類を活用することで,まず検索時間を短縮して行政事務の効率化を支援する。このことで,検索時間短縮相当の人件費を節減して,年間一人当たり約20万円の行財政改革を確保する。
3 また,独自に研究開発した業務プロセス式水平分類を活用することで,情報のフル装備化を確保し,その情報を活用して意思決定の最適化を支援する。
4 行政文書に登載した情報を全庁的に共有するとともに住民との共有化も確保して,住民が情報を活用して自ら考え行動する住民自治を支援する。
■「AKF」を学べる唯一の研修機関
こうした特色をもつ「AKF」の理論と技法を学べる全国でただ一つの研修機関が,「行政文書管理アカデミー」です。全課程を修了し,修了した内容を確認する口頭試問に合格した受講者は,行政文書管理アカデミー学長及びADMiC理事長による修了証書と「行政文書管理士」の認定証書が交付されます。行政文書管理士会は会員相互に情報交流と業務支援の体制を組んでいるほか,ADMiCは,行政文書管理士に対し継続研修の機会を提供しており,修了者は所属組織の内外から行政文書管理の専門職員として認められます。
行政文書管理の理論と実務に精通している講師陣
行政文書管理アカデミーの講師陣は、総務省の元審議官をはじめ、総務省などで文書管理行政を担当したOBが4名、国・県・政令市・市・町で文書管理の実務を長年担当し、大学院や研究会などで「AKF」の理論と技法に成熟している現職公務員の6名、文書管理のほか情報処理、情報倫理などで著名な大学教員2名、それに行政文書管理改善指導の専門アドバイザ2名の計14名で編成されています。日本及び海外で認められている行政文書管理の理論と技法を兼ね備えた履修が可能です。
NPO法人による費用の低廉化
「行政文書管理アカデミー」による専門職員育成事業を,ADMiCは行政文書管理改善のための公益事業の一環と捉え,低廉な受講料を設定しています。平成24年度(2012年度)もこの方針を継続し,受講料を24万円(税込み)に据え置きます。ただし,先行予約者については, 20万円(税込み)とします。受講料のほか、8月と2月の集中授業の宿泊費と交通費が別途必要ですが、低廉な宿泊施設を行政文書管理アカデミーが斡旋します。集中授業は東京周辺の大学施設等で行います(平成23年度は千葉市の千葉経済大学)。
修了すると「行政文書管理士」の資格が取得できます
全課程を修了し,修了内容を確認する口頭試問に合格した受講者は,アカデミー学長とADMiC理事長から修了証書と「行政文書管理士」の認定証書が交付されます。「行政文書管理士」は,行政文書管理士会の会員となることができます。
受講修了後も行政文書管理士会を通じて,文書管理の知識や技法のアフタケアが得られるばかりでなく,所属自治体の行政文書管理の具体的な改善や指導に関し,ADMiCのサポートを受けることができます。
平成19年の開講から平成23年度までに67人が学び,卒業しまし。平成23年の19人の卒業予定者を含む。)。団体数は,国の機関,独立行政法人及び自治体等を含め35団体になります。
24年度に新設科目「行政文書管理改善と説得能力」が開設されます
自主導入とコンサルタント活用との如何を問わず,文書管理の改善推進者(プロモータ)に求められるは,職員に納得してもらうための説得技法の修得であります。そこで,24年度から「行政文書管理改善と説得能力」を開設します。説得すべきは,生身の人間です。気の進まない職員に対し,説明し,説得しなければなりません。相手の性格に合わせた説得の方法,そのために必要な性格の見分け方,相手とどのように向かい合うのが良いか,改善の進捗状況に合わせた説得方法のポイントは何かなどを学びます。また,夏期(又は冬期)の集中講義時に実習を合わせて行います。実習では,話し方,話すスピード,目線の配り方,手の動かし方,身体の動かし方なども学びます。

